小山の西堀酒造にお邪魔しました。
国道4号線沿いの酒蔵は、滋賀県東近江の西堀家十代当主が明治五年に譲り受けたという、江戸時代からの歴史ある酒蔵で、その長屋門は国の有形文化財に登録されているほどです。
そのくだりの書かれた5角形の家門を記した札の上、丸いすずめ蜂の巣のようなぼんぼりを、酒林(さかばやし)といい、杉の葉を束ねて球状にし、酒蔵の軒下に吊るし、良質酒の醸出を願ったそうです。新酒が出来た時に新しい杉の葉で作った酒林と取り替え、杉の葉が徐々に茶色がかっていくのと、新酒が古酒へと熟成していく様子を窺い知ることが出来る、というのが現代の酒林だそうです。
結城市の酒屋「たまごや」にも、酒林がぶら下がっていましたが、写真には載せませんでした。
門外不出のほか、奥座敷や若盛が、当家のお酒として名が通っています。
今回はその門外不出 特別純米を味わってみました。
ヒヤ: 先ずは基準酒松竹梅。うん、落ち着いた長く飲める酒である。次に門外不出。湯飲みを鼻に持って言っただけであま~い麹の香りがただよい、口に含むとまあるい味が広がりますが、それがきりりとした辛めの飲み口に変わります。これは美味いです。15点かも。そして確認のため、松竹梅へ戻りますが、うえ~、松竹梅が苦くて飲めません。これは不思議です。
ヌル燗: ありゃ、甘味がなくなり辛いだけのお酒になってしまった。8点
熱燗: 水のように味がなくなった。飲んだ後の辛味は残るが。純米酒はお燗をするものではないな。6点
温度による意外な展開に、非常にびっくりさせられた「室温専門酒、門外不出」でした。
その足で同じ小山の「雄東」杉田酒造さんに来ましたが、すでに閉店後でした。