6/05/2021

セミ・蝉・Cicadas

周期ゼミというのをご存じだろうか?
世界の中でも北アメリカのみの存在で、13年(南部)または17年(北部)ごとに成虫となるセミのことである。その他のセミは、7年間地下で過ごすと言われているが、ツクツクボウシで1〜2年、アブラゼミで3〜4年、クマゼミで4〜5年くらいのようで、あまり定かではないようです。
17年セミには現在12種類が確認されているが、それぞれ異なる年度に成虫化し、その年以外の16年間には、全く成虫化しないという。
2012年にBlood I (ブルード1)の17年セミが発生し、毎年次のBloodセミが発生しているが、北部アメリカ内でも発生地域が異なるため、同一地域で毎年発生しているわけではない。
2021年はBlood X (ブルード10)の発生年だが、来年と再来年はBloodが絶滅したりBloodが存在しない年だという。

さてそのBlood Xだが、首都Washingtonを中心に、Maryland州のほぼ全域で発生し、その数は計り知れないということを、この動画でご覧ください。
大きさはアブラゼミの1/2~2/3程で、目が赤く羽は透明、飛ぶ速度はゆっくりで叩こうと思えば簡単に叩き落せる程度。1匹の鳴き声はかわいいものだが、これだけ大量だとそうも言っていられない。
Marylandでは5月から発生し始め、6月末まで続くということで、まさにそのピークを味わうことができました。
娘から「セミにおしっこ掛けられるから、帽子を持ってきた方がいい」と言われたが、息子たちは「セミにおしっこを掛けられてもいい帽子は、持ってない」と。
抜け殻だけでも、ぞっとします。
メイプルの木が好みのようです。

くれなくていいから。
この時を17年間待ち望んできました。
おもちゃのような本物です。
夜の網戸に群がるBrood X
地面は抜け殻と亡骸の山で、避けて歩くことはできない状態。
木の幹を登り羽化し、木の幹で力尽きることが多いので、必然的にこうなる。
このころから森に不思議な木が増えてきた。
枝の先端が枯れたようにぶら下がっている。
なにか病気でも流行っているのかと思ったが、これはFlaggingという、セミによる被害のようだ。
日本にいる、アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシなどは、枯れた木の樹皮の内側に産卵し、そこで孵化して地面に潜るそうですが、Brood Xさんは少し違い、生きた木の枝の先端に近い枝の中に産卵し、そこから先の枝を枯らしてしまうようです。
枯れた枝はいずれ地面に落ちるので、その時を待って孵化、枝から出ればそこは地面、という作戦だそうです。
木にとってはいい迷惑な話で、中には枝がほとんど落ちて、立ち枯れてしまう木もあると言います。
17年後に無事子孫を羽化させるため、集団発生して独身率を下げ、木を枯らしてでも生存率を高めているのですね。

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