4/26/2009

やっぱり日本語





そんな訳で行く手を阻まれ、急遽ワインテイスティングとなったわけだが、山のハイキングとワイナリーめぐりでは、服装が違うわな。

1軒目、モントレー空港すぐそばの Ventana Vineyards へ来たものの、なんとも入りにくい入り口である。
別にバレーパーキング(ボーイにキーを渡して駐車してもらうアレ)ではないし、赤絨毯がひかれているわけではないが、こちらの身なりを考慮するとやはり入りにくい。
ということで車から降りずに次ぎへ。


小気味良い山道を抜けカーメルバレーに入り、Joullian Vineyards というこじんまりとしたテイスティングハウスに立ち寄る。
ドアを開けたとたん、沖縄の人かな、と思う女性が「こんにちわ」と迎えてくれた。
沖縄は間違いだったが、屋久島出身だったので、かなり近かった。(っと東京人は思う)


2007 Joullian Family Reserve Sauvignon Blanc (Carmel Valley Estate)
2006 Joullian Chardonnay (Monterey)
2007 Joullian Chardonnay, RogerRose Vineyards (Arroyo Seco)

と、まずは3種の白ワイン。
どれも特徴的な癖が少なく、飲みやすい。
ワインもあまり個性を主張されると、2杯目からつらくなることがある。
逆に2杯目から、その強い個性に慣れる場合も、十分にあるが。
ほんの一口のテイスティングでは、2杯目を想像するしかないが、ボトルを買おうとするときには結構注意点かもしれない。
Joullianの畑では気温が高すぎ、Chardonnayの生産には向かないらしい。そこでほかの畑から葡萄を買い付け、自社でワインを醸造する。

初心者向け解説で恐縮だが、ワイナリーの名前と葡萄の産地は必ずしも同じではない。むしろほとんどの場合はよその畑の葡萄といってよいくらいである。
このため、100%自分の畑の葡萄を使っているよの印が、Estateの文字です。
またどこの畑の葡萄かを示すのが AVA といわれる収穫地の情報です。
1本目のCarmel Valleyや、3本目のArroyo SecoがAVA名です。
複数のAVAがブレンドされていると、County(郡かな)や州名など、だんだんと広い範囲を指しはじめます。
2本目のMontereyは、この地域一帯のブレンドとなります。
Robert Mondaviは、ナパの有名なワイナリーですが、ラベルの下のほうにCaliforniaとあったら、Napaとは書けない、よそからの葡萄のブレンドということになります。
ワイナリーの名前だけで選ぶと中身は違うかもよ、という雑学まで。



Retro Rouge (Carmel Valley Estate)
2005 Joullian Cabernet Sauvignon (Carmel Valley Estate)
2006 Zinfandel, "Sias Cuvee" (Carmel Valley Estate)

次に3種の赤ワイン。
実はもう一本2006 Joulllian Cabernet Franc (Carmel Valley Estate)も飲ませていただいたが、これはお店での話が弾み「今開けたやつだから」とサービスしてくれた。
みなJoullianの畑で取れた葡萄のみが使われているようです。

最初のワインは、「テーブルワインです」と紹介された。
収穫年度が無いということは、年をまたいだブレンドということになり、葡萄の種類記載も無いのは、単一の葡萄種が75%以下であることを意味します。
ただしJoullianの畑100%は、Estateが示しているわけです。
食事のときに飾らず気楽に飲めるワイン、というのは結局良いワインと言えると思います。
驚いたのは最後のジン(Zinfandelの愛称です)。ボルドーワインのように、実に滑らかに口全体に広がって行きます。
これなら2杯目、3杯目もすいすいといただけてしまうのではないでしょうか。

ところで今日の題名だが、われわれがいた時間に他のお客は一人も見えず、2人の女性サーバーとの話が弾んだ。
我々がなぜここに今日来たか、我々にとって、Big Surがいかに遠い場所であるか、どこの土地に住んだことがあるか、などなど。
まして一方は日本人である。
彼女の旦那(アメリカ人)もいつの間にか話の輪に加わり、屋久杉がいかにすばらしいか、NHKの全国喉自慢がいかに愉快かを延々と語ってしまったのである。
彼と彼女はモントレー水族館で知り合ったとか、彼が実は水槽作りの職人だとか、屋久杉保存会の会員を4年間継続しているとかかんとか。
Big Surのカメラマンとして今回初めて同行した長男をネタに、オランダでの記憶や大学での専門についての人生相談まであったようだ。

ワインテイスティングでどれほど1件にいられるか、というギネスがあったら、上位にランクインできること間違いなし。
カメラマンから転じて運転手がいるので、こちらも調子に乗ったことは認めるが、話が過ぎてこれ以上ワイナリーを巡る気がしなくなった。

しまった、それがやつらの作戦だったか。






遠い Big Sur

モントレー、カーメルの南に、Big Sur State Parkがある。
約10年間ベイエリアに住み、一度は行きたいと思いつつ、いまだに行き着けない遠い場所だ。
国道1号線を南下するたび、その場を通過すること数回。
Big Surを目的地にした最初は、手前30kmで車のガラスを割られ引き返す。
2度目はあと10kmまで迫りつつも、そこまで行って遊んでいたら、帰りの時間が遅くなるとの判断でUターン。
3度目は緊急の仕事が入り、休日の出勤となり延期。
4度目の今日、出発間際にお客から携帯に電話が入ったが、10分で何とか解決しいざ出発。

片道約2時間のドライブだが、途中には魅力的な町や海が控えており、どうしても寄り道をしてしまう。
挙句、Big Surにたどり着く前に自然を十分に堪能してしまったり、時間(とお金)を浪費してしまうのが今までの反省点。
今日はBig Surだけを目的にしたので、行き着くはず。早めに家を出たし、お弁当も持ったし。

Baby Blue-Eyes

Beach primrose

道路も順調でモントレー、カーメルを通過。と思いしや急に路肩駐車の列。どうやらカーニバル(何のだ)をやっているため、道路が迂回路に。
カーナビに電源を入れ迂回路を探すが、無いよね。
周りにはランナーのカッコをした人たちが群がり、Big Surへの道路を封鎖する形でFINISHの横断幕。
道路整理をしている警官に道を尋ねると、「迂回路は無い」。「あと2時間もすれば道路が開通するからそれまで待つしかないよ」と。ご丁寧にありがとう。
どうして1本しかない道を封鎖して、市民マラソン大会を開くの?


Seaside daisy
本日も予定を変更し、モントレーのワイナリー巡りに。
それはそれで良かった(日記は後ほど)のだが、何か強い力が我が家をBig Surに踏み込ませないようにしているようだ。
そういう時は自然に任せるのがいい。無理に行って事故ったり怪我したりしてもつまらないからね。
そういえばBig Surは、北カリフォルニアのシェスタ山のように、強いスピリチャルを持った土地である(らしい)。

Strawberry Field

気軽に日帰りしようと思うな。腰を据えて来るなら入れてやる、とでも言っているのだろうか。

さて皆さんならどうします?
5回目に挑戦するか、この場を封印するか?

4/21/2009

ファイヤーアント


3ヶ月ぶりにAustinに来ました。
お客に怒られるのが、今回の仕事です。

去年の夏にテキサスの野草を紹介し、その時間違えて踏んでしまうと大変なことになると書いたファイヤーアントの巣を撮影できました。

これが通常の蟻塚、上の方をちょっと触って2秒後と5秒後の写真です。

こいつらの1匹にかまれると、注射10本分くらいの痛みがあります。
子供ではショック死、大人でも救急に担ぎこまれることがあります。
私の知人の奥さんは、CTスキャンまで取る羽目になりました。

24時間いつ何時事件が起こっても、直ちに対応するこいつらには、見習うところがあったりして。
蟻塚の中の指示命令系統を見てみたいものです。
それに対する報酬も。


体長は3mmくらいのチビなんです。
写真では良く見えないでしょうけれども、赤茶色をしたすばしこいやつらです。
いったん靴に這い上がり始めたら、全員を間違いなく振り落とさないと大変です。

蟻塚は原っぱのいたるところにあるので、野草の写真撮影は先ず足場の確認からです。

そもそもは南米のアカ蟻だったようですが、今ではフィリピン、中国、最近台湾にまで侵食されてきたようです。

アメリカではなんと年間$5Bが、ファイアーアントによる治療費に使われているそうです。
5千億円ですよ、びっくりですねえ。アメリカ国民一人当たり2千円ですね。

http://en.wikipedia.org/wiki/Fire_ant
In the US, the FDA estimates that more than US$5 billion is spent annually on medical treatment, damage, and control in RIFA-infested areas. Furthermore, the ants cause approximately US$750 million in damage annually to agricultural assets, including veterinarian bills and livestock loss as well as crop loss.

UMA、未確認動物、いいですねえ。こういうサイト好きです。
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-593.html

4/18/2009

グライダー


「鳥は空を自由に飛べていいなあ」というのは、ひょっとすると思い違いかもしれない。
すずめのような小型の鳥は、重力と一生懸命戦っているのではないだろうか。
木に止まるときも太目の枝ではなく、小枝が密集していて大型の鳥では羽が邪魔になって入ってこれないようなところを選んでいるように思う。
ここからでは自分が飛び立つにも小枝が邪魔なので、いったん枝が少なくなる下に「落ちる」。
確かに止まり木争いのような光景も目にする。大きな鳥が強いのである。
カラスが堂々と電線や木のてっぺんに止まれるのも、自分たちを襲うものが少ないからであろう。

で、鷹たちである。
彼らこそが空を自由に操っている。
彼らには風が見えているとしか思えない。

ああやって空をただよえたら、絶対気持ち良いに違いない。
なまこの次は鷹になりたい。

4/17/2009

カリフォルニア・ジェイ


木の枝に隠れて見難いですね。
本名はScrub Jayと言います。
ブルージェイの仲間ですが、後頭部に違いがあります。

4/11/2009

キツツキ


土曜日の散歩で見つけた、新築中のキツツキです。
斑模様の背中と赤い冠から、Nuttall's Woodpeckerだと思われます。

我が家で勝手に名付けた「キツツキの森」にいる Acorn Woodpeckerよりも一回り大型です。
世界でもカリフォルニア州の海岸沿いにしか生息していないそうで、またしても貴重な体験。

Saratoga Wine


土曜日、午前中の散歩の後は近場のワイナリーめぐり。



1件目は箱根ガーデンの2マイルほど奥にあるSavannah Chanelle Vineyards
ピアノの生演奏のあるこじんまりとしたワイナリー。
畑には1910年から植樹を始めたZinfandelとChardnnayのブドウがある。


テイスティングは6種類で$10。ボトルを買うと半額に。

2007 Pinot Noir Rose, Russian River Valley (Sonoma)
2007 Estate Chardonnay, Santa Cruz Mountain (BA)
2006 Pinot Noir, Russian River (Sonoma)
2007 Pinot Noir, Russian River (Sonoma)
2006 Estate Zinfandel, Santa Cruz Mt. (BA)
2006 Syrah, Coast View Vinyard, Monterey (NCC)

2つのEstate(自分の畑のブドウを使用)はかなりいける。

2件目は1マイルほどSaratoga方向に戻ったところのMountain Winery
毎年夏にコンサートが行われるワイナリー。今年の出演者はまだ調べていない。
テイスティングは常に開いているわけではなく、通常は電話予約が必要だが、今日通りがかりにOpenしていることが確認できたので、訪ねることにした。

San Joseを中心とするSouth Bay Areaを一望する山の上のワイナリーは、ここがベストであろう。
テイスティングは天気の良いオープンテラスで行われている。

コースはリザーブワイン3種類$7とエステート2種類$10。両方で$15。
ボトル購入でテイスティングは無料となる。

$7のワインリストは

2007 Reserve Syrah
2007 Old Vine Zinfandel
2005 Reserve Cabernet Sauvignon
ボーナスでChardonnayが付いた。

どれもおいしくて$10コースを追加。追加料金は要らないという。
まあボトルを買えば、所詮タダだし。

2006 Estate Chardonnay
2006 Estate Pinot Noir

さすがにこの2本はうまいが、ボトル$65では買えない。

このワイナリーまでの山道には、今まで見たこともない青い花が。

カリフォルニアブルーベルと言うそうだが、花は専門家に任せるとしよう。

4/10/2009

Red-winged Blackbird




肩に赤い斑点の鮮やかな、全長15センチほどの黒い鳥。
北米全域で見られるようだが、テキサスや東海岸ではお目にかからなかった。
ベイエリアでは春の一時期だけ、田舎道のドライブで多量に見かける。
赤い斑点はオスだけにあるようだ。


日本名コマツグミといい、こちらではロビンで通っている。



鳥の写真は難しい。
望遠が必要だが、そうすると手ブレが厳しい。
カメラを向けたとたんに飛び立つのは良くあること。

これはサンフランシスコのレンタル3輪カート。現在地を検出し、その場所の説明をしてくれる便利なナビが付いているようだ。
一般公道も走れるとは、さすが自由の国です。