5/03/2010

アメリカに家を買う

急に家が必要となり、南カリフォルニアに家探しにゆきました。
今の借家のあるSan Joseから車で9時間、約640km走りいつものMarriott系列に着きました。
出張時のホテルポイントのおかげで、宿泊料は無料です。

翌日、家さがしをお願いした、不動産業者のSさんと会い、数件の物件を見せてもらいます。
昨年夏まで長女が住んでいたエリアは、大学にも近く治安も安全ということで、そのエリアだけに絞りました。
あとは予算と間取りを決めれば、Internetでも検索できますが、いざ家を買うとなると、モノを見ないわけにはゆきません。

アメリカでは家の売買は、基本的には入札方式です。
売り手が希望価格を示し、買い手が購入希望金額を伝えます。
他人がいくらで入札しているかは、隠されるのが通常で、売り手が選択した人に、購入権利が与えられます。

つまり、例えば5千万円の価値のある家があるとします。
好景気で不動産の値上がりが期待できるときは、買い手は少し無理をしてでも投資含みで値段を付けます。
例えば、5千5百万とか、5千8百万とか。売り手は一番高い値をつけた人に売れば、それだけ儲けが出ます。
買った方は数年後に6千万か、それ以上で手放せば良いわけです。
簡単にいうと、これがアメリカの住宅バブルでした。

世の中が不景気になり、不動産が暴落し、本来の価値に見合った額での取引に成っていることを期待しつつ、いくつかの物件から、候補を2つに絞り込みました。
一つは普通に持ち主が住んでいる家が候補に残りました。
もうひとつは、いわゆる銀行の抵当物件、借金のカタに取り上げられた物件で、当然もぬけのカラです。

ゲームはここから始まります。
本命は室内も綺麗な1軒目。しかし2軒目は1軒目と同等の作りと大きさながら、安く叩ける可能性があります。ただし、たたきすぎると他人の手に流れてゆく可能性が高まり、いくらの値をつけるかが、勝負の分かれ道です。2軒目の勝負相手がプロの銀行というのも、手強いところです。
売り手は、入札金額が気に入らなければ、今回は売る必要はないわけで、パスができます。
しかし、長期にわたりパスをしている間に、物件の価値が下がらないとも限りません。
売り手にもリスクのある、かなり大金のかかった勝負と言えます。

物件の市場に出ている日数、近隣の最近の売買成立価格は、調べればわかることですが、売り手の経済状況、手放したい背景、物件の将来性などは、想像するしかありません。
それにもまして、我が家の軍資金と、ローン返済予定というとてつもなく大きな問題があり、この勝負、どういう展開を見せるか、これからが楽しみではあり、また恐怖でもあります。

8 件のコメント:

  1. 動きがありました。
    2軒の持ち主からの返答です。
    個人持ちの方は、私のオファーした金額に不満のようです。売り手提示額の満額をカウンターしてきました。
    銀行物件は、私のオファーに満足のようです。こうなると「もう少し低くオファーをしておけば」と思うのは贅沢でしょうか。
    全く同じエリアの、同じ間取りの2件ですが、ん百万円の価格差となり、綺麗だの差し押さえだのということを超越した、決定的な差となりました。

    次に目先の障害となるのが、住宅ローンの契約です。
    実は昨年度の確定申告が、まだ税理士の手にあり、当局に提出されていないのです。つまり、2009年の収入を証明する書類が完成しておらず、これがないことにはローンが組めません。

    さーて、お次はどうなることでしょう。

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  2. 銀行抵当物件、いわゆるForeclosureの家を購入することになったわけですが、ローンを組むための必要情報ということで、我が家の資金を丸裸にされています。

    税務署への申告書2年分、給料明細2ヶ月、全銀行口座残高、さらに出入金明細書(残高が一時的な見せ金でないことの証明?)、社会保険番号(アメリカ社会では、最も大事な個人情報で、クレジット履歴の確認に必要)、運転免許証、グリーンカードなどなど。

    即時対応が求められたため、全ての情報をスキャンしてPCに取り込み、WebメールからPDF添付で送ったわけだが、ふと
    「これが悪用されたらえらい被害だ。ヘタをしたら破産する。」
    と、急に心配になった。

    日本では、個人情報とやらが必要以上に取りざたされており、会社の同僚の住所、自宅電話や携帯番号の管理までされ、緊急時の連絡はどうするの?と言う状態だが、アメリカでは必要以上の大騒ぎはしない。個人情報の管理は自己責任、と言うのが基本である。

    資金が心配と行っても、早々に現金での頭金支払いが控えており、定期預金の類に入れられない。かといって現金化してタンスに入れておくのもいかがなものかと。

    こうなると、はやく頭金を手放して、残ったお金を別の口座に移し変えたいのだが、家の購入プロセスは、1歩づつしか進まない。
    悪用されないことを願うばかりである。

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  3. 家の購入には、多くの組織を通して行かなければならないようだ。

    まず、物件を見てまわるために、不動産屋の同行は必須である。立地環境や外観を見るのなら、住所がわかればそこへ出向けば良いわけだが、室内を見るには不動産屋の同行が必要となる。
    不動産屋の収入は、売主からの手数料で成り立っている。売却価格の数%を得るらしい。

    そもそもいくらの家なら購入が可能かは、ローンの手続きのお世話をするFundingという資金調達相談所のようなところに相談する。
    住宅バブルの膨らんでいたサブプライムローンが組めた時代は、自己資金が購入価格の5%あれば家が買えたそうで、さらに担保があれば、ゼロ%で買うこともできたそう。借金が払えない人が続出するわけである。おかげで抵当物件が安く購入できたわけであるが・・・。
    それがリーマンショック以来、20%以上の頭金(現金)が必要で、住宅ローンの審査も必要以上に厳しくなったそうである。
    今回はFunding会社を通して、火災保険や家財保険を取り扱っていただく。当然保険会社が絡んでくることとなる。

    売り手と買い手の仲介役のような、第三者機関エスクローという職業も登場する。買い手は、手付金をこのエスクローに送付するが、この職種が実際どのような位置づけなのか、まだ良く理解出来ていない。

    さらに公文書の代書屋、公証人ノタリーの世話にもなる。司法書士かな?

    今のところ、以上が登場人物となるが、聞いたことのない分野の英単語が反乱して、その単語が何を意味するのか、何をしてくれる人なのかさっぱりわからない。
    Dwellingという単語が出てきて、なんだそりゃとなる。日本語でも、「家」という単語と「住居」と言う単語を使うように、"house"と"dwelling"を使い分けているわけである。

    今回は縁あって、登場人物の内の三人が日本人である。
    物件探しからローン契約の直前まで、一週間でこぎつけられたのは、この日本人の連携プレーによるところが非常に大きい。
    取引のある銀行と、事前に直接ローンの相談をしていたが、未だに何も始まっていないことを考えると、アメリカ人と仕事をしていたのでは、こちらの期日に間に合わなかったであろうことは明白だ。
    ここまでくれば、私は日本に引き上げることが出来そうです。

    不動産屋のSさん、資金相談所のNさん、本当にありがとう。

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  5. もう一人、日本人の登場人物がいました。
    日本での収入を英訳する弁護士さんです。

    わたしは日本に引き上げてきましたが、ノタリーに代理人証明をしてきたので、以降は妻だけのサインで事は進むはずです。

    今週は家のInspectionをして、修繕必要箇所を見積もります。
    購入が確定するのは、ひと月くらい先になる予定です。
    いろいろあって、面白いですよね。

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  6. 5/11、資金相談所のNさんから、このローンの審査は、かなり厳しい状況だと知らせが入った。そこで、かれこれとしたこちらの状況をレターにして、ローン会社に提出することとなった。日本では当然のごとく行われている「単身赴任」が、アメリカ人に理解されるかどうかが、一番の焦点となる。

    5/12、アメリカでローンが組めなかった時のために、日本の銀行から資金調達できないか検討を開始。私の感触では、海外の物件に対する資金援助は不可能なはずだが、先ずはトライ。
    先ずは給料振込先であるR銀行のWebページからeメールを出すと、即刻返信があり、「誠に申し訳ございませんが、海外は営業エリア外となりますのでお取り扱い致しかねます。
    何卒ご了承くださいませ。」とのこと。
    それではもうひとつと、U銀行にトライ。
    結果は同じでした。
    ダメもとで、財形貯蓄をしているM信託。
    こちらはまだ接触出来ていません。私の責任でございます。

    同時に引越しのための業者との日程確認が始まる。
    不動産屋Sさんは、シロアリ駆除やら、火災保険やらで走り回っている。さらに、5/1以降に家を購入した人の中から先着17000名様に、税金控除が1万ドルがもらえるため、そちらの書類も作成必要。
    もういっぱいかなあ?

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  7. お引越しの方は、SJからSDと言う単純なものではない。
    9月以降、3人の子どもたちがそれぞれの学生寮に落ち着いた後、親二人は日本で生活する予定である。
    そのため、SJから日本への引越しも同時に発生するのである。

    その時の住家は、16年前に建てて入居していない家。
    今は貸家となっているため、SJの家を追われたように、私たちも今の住人を追い出さなくてはならない。SJでは60日で退去させられると言う大家優利条件(30日という契約もアメリカでは多い)だが、日本では6ヶ月。

    SDへも日本へも送られない荷物として、どちらでも不要なもの、どちらにも置き場所のないもの、がある。
    これらは可能な限りMoving Sale(引越大処分市)で売りさばき、売れ残りは処分するしかない。
    Moving Saleの方法も、今ではWebがあり、簡単ともいえるが、不特定多数への情報出しにより、後の対応が大変という話もよく耳にする。さらにWebに掲載するための写真(きれいにしてから)撮影と、条件ぎめ(値段、サイズ、仕様など)が必要だ。

    いろいろなことが同時に発生して、本当何度やっても引越しは大変である。

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  8. 5/19、本当に種々の書類にサインをして、ようやくローン審査までたどり着いた。
    一方で、家の売主に対しては、いついつまでに手続きをすべて終了し、正式に名義変更いたしますという日程を宣言する。なんだか会社の達成目標のようだが、会社の場合期限に遅れても上司に怒られるくらいで済むが、このClosing Dateと言うのを超えると、罰金を払わされる。1日につき1万円ほどが今回の契約となっている。
    この期日が迫り来るなか、ひたすらローン審査が通ることを願う以外、できることはない。

    子供たちもそれなりに大変で、大学院に進む娘は、自分の学費の確保に精を出している。学生寮の手配もしなければならない。さすがにいつまでも親だけに頼れないことを理解してくれたようだ。

    そういえば、集合住宅地では地区ごとの自治体が存在し、ごみ処理や公共設備のメンテ、長屋全体の外壁管理棟を行っている。
    この団体をHome Owner Associationといい、この団体からも書類の提出が必要となる。
    この辺は、不動産屋Sさんに完全なおまかせ状態である。

    ローンの審査が降りないなか、引越しの日程が決まり私も日本から応援に行く航空券を手配しなければならない。

    5/21、そうこうする中、ローンがおりないという連絡が入った。
    もう少し頭金を増やせば、すぐに別のローンで手配する、とSさんから連絡が入るが、生憎と家内は大物家具を購入いただいたご近所さんとの食事中であった。

    一巻の終わりだが、BlogはPart-IIへつづく・・・

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