3/15/2011
シーベルト
いかにも睡眠が足りていない感じの官房長官がTVで口にする、シーベルトなる放射線被爆の単位を、恥ずかしながら始めて知った。
そもそもSI(International System of Units)単位系(国際単位系)であり、Svと表記するそうだ。
スウェーデンの物理学者の名前だそうで、「グレイ(Gy)」という放射線吸収量[J/kg]の人体影響係数をかけたものだそうである。
α線の人体への影響度はβ線の20倍だそうで、β線1Gyの被爆量を1Svと言うそうである。
つまり、β線の場合、
1 Sv = 1 Gy = 1 J/kg = 1 m2/s2
となる。
α線では、その1/20、つまり、
1 Sv = 0.05 Gy = 0.05 J/kg = 0.05 m2/s2
となる。
Svを使用している限り、放射線の線元がα、β、γなのかを気にせずに人体影響度として使えるのがありがたいが、はたしてそれをSI単位系として良いのだろうか?
とにかく、今回の福島原発の事故による最大被爆量400mSvという量は、正しくは1時間あたりの被爆量400mSv/hrであり、その人体に及ぼす影響度としては、5%致死量とされる2Svの1/5にあたり、つまり、福島第一原発3号炉の脇に5時間無防備で滞在したとすると、20人に一人が死にます、という量である。
法律で定められている、放射線業務従事者の被ばく線量の限度は、5年間につき100mSvで1年間について50mSvとされているそうであるから、400mSv/hrという量は、かなりの被爆量ということになる。
胸部レントゲンを1回撮る(4mSv)ことによる発ガン死亡確率は、飛行機に搭乗して事故死する確立と同じオーダーだとも言う。
一年間に自然環境から人が受ける放射線の世界平均が2.4mSvだというから、飛行機事故で死亡するよりもやや低い確率だといえる。しかし、近年のオゾン層破壊による宇宙線被爆量の上昇を考えると、10年かそこいらで400mSvを被爆しかねない。
ましてや今回の事故による都心部での放射線量とされる、数μSv/hrを、極端に多い量だと反応するのは、正しいとは思えない。
関東の都心部に生活する人が報道に踊らされて外出をやめるのであれば、防護服を着ているとはいえ、今尚原子炉の冷却のために現場にとどまっている人を思うべきである。
都心へ通勤しているのであれば、福島からの放射能よりも、一酸化炭素や煤煙、粉塵、交通事故、通り魔殺人、セクハラ、パワハラの与える人体への影響の方が、はるかに大きいと知るべきである。
まあ、それらは逃れようのないものだから、それ以上の放射線の外来は望まないといわれれば、それまでではあるが。
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