急に家が必要となり、南カリフォルニアに家探しにゆきました。
今の借家のあるSan Joseから車で9時間、約640km走りいつものMarriott系列に着きました。
出張時のホテルポイントのおかげで、宿泊料は無料です。
翌日、家さがしをお願いした、不動産業者のSさんと会い、数件の物件を見せてもらいます。
昨年夏まで長女が住んでいたエリアは、大学にも近く治安も安全ということで、そのエリアだけに絞りました。
あとは予算と間取りを決めれば、Internetでも検索できますが、いざ家を買うとなると、モノを見ないわけにはゆきません。
アメリカでは家の売買は、基本的には入札方式です。
売り手が希望価格を示し、買い手が購入希望金額を伝えます。
他人がいくらで入札しているかは、隠されるのが通常で、売り手が選択した人に、購入権利が与えられます。
つまり、例えば5千万円の価値のある家があるとします。
好景気で不動産の値上がりが期待できるときは、買い手は少し無理をしてでも投資含みで値段を付けます。
例えば、5千5百万とか、5千8百万とか。売り手は一番高い値をつけた人に売れば、それだけ儲けが出ます。
買った方は数年後に6千万か、それ以上で手放せば良いわけです。
簡単にいうと、これがアメリカの住宅バブルでした。
世の中が不景気になり、不動産が暴落し、本来の価値に見合った額での取引に成っていることを期待しつつ、いくつかの物件から、候補を2つに絞り込みました。
一つは普通に持ち主が住んでいる家が候補に残りました。
もうひとつは、いわゆる銀行の抵当物件、借金のカタに取り上げられた物件で、当然もぬけのカラです。
ゲームはここから始まります。
本命は室内も綺麗な1軒目。しかし2軒目は1軒目と同等の作りと大きさながら、安く叩ける可能性があります。ただし、たたきすぎると他人の手に流れてゆく可能性が高まり、いくらの値をつけるかが、勝負の分かれ道です。2軒目の勝負相手がプロの銀行というのも、手強いところです。
売り手は、入札金額が気に入らなければ、今回は売る必要はないわけで、パスができます。
しかし、長期にわたりパスをしている間に、物件の価値が下がらないとも限りません。
売り手にもリスクのある、かなり大金のかかった勝負と言えます。
物件の市場に出ている日数、近隣の最近の売買成立価格は、調べればわかることですが、売り手の経済状況、手放したい背景、物件の将来性などは、想像するしかありません。
それにもまして、我が家の軍資金と、ローン返済予定というとてつもなく大きな問題があり、この勝負、どういう展開を見せるか、これからが楽しみではあり、また恐怖でもあります。