6/25/2025

礼文島旅行(Day-2 岬めぐりコース)

2025/6/25 (Wed)

宿の部屋から、ほぼ最北の地での朝日
利尻島と異なるのは、登山目的の旅行者は居ず、ハイカーばかりだということ
なるほど、あちらの島とこちらの島は、二つで一つと思われがちだが、性格が全く異なるということだ
「夢の浮島」と「花の浮島」
その生い立ちも違えば、観光資源も異なり、よって観光客の目的も異なる
団体客を集客できるのは、Softタイプの礼文島
礼文への通過点となってしまう、ガッツリ系の利尻島
事前にいくらガイドブックやInternetで調べても、実際に感じる違いは知り得ないな

礼文2日目の今日は、北のスコトン岬からの「岬めぐりコース」
前日の夕飯時、部屋ごとに翌日の予定を確認し、出発時刻に合わせて部屋ごとに朝食の時間を調整してくれる
我々は7:50頃のバスでスコトンへ向かうと伝えると、昼食の買い出しのためコンビニまで歩き、そこからバスに乗るため、朝食は6:30からと決まった
礼文ならではの食事ではないが、しっかりとした朝食をとり、出発
今日も一日、良いお天気が続きますように

宿から5分ほどのSeico Martだが、他に商店は全くない
バスの時刻に早すぎたので、歩いて先まで行くことに
バス停以外でも、合図をすればどこでも乗り降りできる、のどかな島だ
旅行の4日目だが、雨は無く気温は快適な20℃くらい
長そで長ズボンを暑いと感じるほどの気温だが、ハイキングの安全装備
路線バスは、乗車券番号で運賃が変わる、昭和のシステム
終点のスコトン(須古頓、アイヌ語で大きな谷)に到着
無人の海驢(とど、海馬、トド)島は、鳥と花の聖地だという

さすがに風が強い
サハリンまで見えるというが、見えなかった
礼文島最北端の地だが、稚内市の日本最北端には、わずか6.5kmほど及ばず
礼文側には最北の種島があるようだが、稚内側にも弁天島があり、やはり少し負けているようだ
それにしても、「最北限のバス停」でバスを降り、「最北限のトイレ」で事前準備を整え、「最北限の売店」から土産物を栃木に送った


ここをスタート地点として、島の西側へ回り込むハイクに出発


シロヨモギ(白蓬、Artemisia stelleriana、キク科ヨモギ属の多年草)
今日も、オオハナウド
シロヨモギに覆われている
「最北の売店」から出たご婦人が、風に飛ばされていたほどの強風の中、バス道を南下

正面の山がゴロタ山で、先ずは海岸まで下り、登り返す

右正面からの強風の中、毎日多くのハイカーが通るであろうに、草に覆われた路を進む

船泊(ふなどまり)鮑古丹(あわびこたん)海岸
青花のマメ科は、クサフジまたはヒロハクサフジで、ナヨクサフジはいないようだ
葉は細いので、クサフジだろう

ナデシコ科は1種のみ、エゾカワラナデシコが生息している
昨日は桃岩展望台入り口に1輪だけ咲いていたが、今日のは自生の礼文島固有高山植物だ

カワラナデシコは苞(花のねもとにつく小形の葉)が3~4対あり、顎片が3~4cmと長いのに対し、
エゾカワラナデシコには、先が尾状に急に細くなる苞が2対あり、その下部の1対は大きく、顎片は2~3cmだという 
顎片は見えませんが、苞は1対(2枚)ですね、新種のリシリカワラナデシコかな?
鮑古丹には、住民が一人暮らしをしているそうだ





鮑古丹海岸から、ゴロタ山に取り付く
エゾカンゾウが見事



広々とした気持ちの良い場所
随分登ってきた
ここで山の上を通ってきたルートと合流
どちらの方が強風だったのだろう?
昭和34年生まれのご同輩の、海驢島灯台が見える


稜線に出ると、今まで強かった風が、さらに突風となる











昨日の桃岩コースも、お天気ならこういう風景だったのだろう


薄青色でフウロ系の花は、チシマフウロ
ゴロタ山頂はあと少し
ゴロタ山(標高176m)に到着
ゴロタ山頂から、超望遠でゴロタ岬
ゴロタ山までを突風とするならば、ここは烈風だ!
利尻富士も見える
スコトン岬を背景に、黄色い花は、ミヤマキンポウゲか、レブンキンバイソウか?
利尻山を背景に、レブンシオガマ

北にはスコトン岬とトド島
南には次に向かう、ゴロタノ浜とその先にある鉄府の港
なのだが、強烈な海風で身動きが取れない

先行部隊は順調そうだ
後に続けと、我々も出発
したが、四つん這いで切り抜ける
地形の関係でところどころ風除けできるが、この後は動画をとる余裕もないほど
行くか戻るかの選択肢しかない

ゴロタ岬を背景に、レブンシオガマとエゾニュウ
歩けなくなる風速の15m/sは、あったと思う
瞼に風が入り込み、瞼がひらひらした体験は、初めてのことだ
サングラスが風で飛ばされ、ロストしてしまった

海から吹き上げてくる風なので、断崖の海側に飛ばされることはないのが救いだ
ゴロタノ浜が近づいてきたが、まだ風がすごい
このハイクコースを自己責任で歩かせるのは、すごいと思った
後続隊の姿無し

ハマエンドウ(浜豌豆、キツネマメ、ハマゴマメ、ハマノマメ、Lathyrus japonicus、マメ科レンリソウ属の多年草)
花の色はいろいろ





フタナミソウ(二並草、フタナミタンポポ、Scorzonera rebunensis、キク科フタナミソウ属の多年草、絶滅危惧種)は、礼文島の二並山から名がつき、礼文島に自生しているが利尻島には無く、近年急速に数を減らしており、盗掘等の危険から観光案内やガイドブック等にも分布は掲載されていないという、幻のタンポポ
レブンソウを探しているが、目に付くのはハマエンドウ

浜辺の砂から咲く、
ハマヒルガオ(浜昼顔、Calystegia soldanella (L.) Roem. et Schult.、ヒルガオ科ヒルガオ属の多年草、海浜植物)







カンチコウゾリナ(寒地髭剃菜、Picris hieracioides var. alpina、キク科コウゾリナ属)は、総苞(花の根本)が黒みがかるのが特徴
全体に細かな硬い毛が密生し、肌に触れるとゾリゾリとカミソリで剃るような感じがするところからこの名前がついた
エゾノコウボウムギ(蝦夷の弘法麦、Carex macrocephala、カヤツリグサ科スゲ属の海岸性多年草)

ハナニガナのようですが、
砂浜にハナニガナ?
葉は、違いますよね。で調べたところハナニガナならぬ、
ハマニガナ(浜苦菜、ハマイチョウ、Ixeris repens A. Gray、キク科タカサゴソウ属の海岸性多年草)に行きついた
海岸の砂浜に地下茎を長く伸ばして増え、砂に埋もれるように、点々と生える
葉がイチョウの葉に似ていることから、別名ハマイチョウ
長い葉柄を持つが、砂に埋もれて見えないことが多い
波打ちぎわに近い砂浜で、カヤツリグサ科のコウボウムギやヒルガオ科のハマヒルガオなどとともに生育するだって、100%合致する

浜辺から鉄府(てっぷ)漁港を見下ろす公衆トイレに来た
スコトン岬からここまで、トイレはありません
たぶん防風堤、だよねが築かれている
公衆トイレの前に弁当を広げ、暴風との戦いで体力を消耗したため、次の行動を検討
予定ではもう一つの峠を越えて、澄海岬へ行くのが岬めぐりのゴールなのだが、余力を残して久種湖を周り、高山植物園へ抜けるコースへ変更
鉄府港から登り坂になるのだが、折からの(一年中かな)海風に背中を押され、すんなりと登りきれた
飛行場施設かと思ったが、陸上自衛隊礼文分屯地のレーダーだ
舗装道路をしばらく行くと、レブンアツモリソウ群生地がある
礼文島の礼文町にのみ生息する、アツモリソウの変種の野生ランで、5月下旬~6月中旬が花期だったが、年々早まっているそうで、今年は5月末で閉園してしまった
かつては島内各地で見られたが、礼文島の大部分を焼く大きな山火事が起きたさい、木々に埋もれるように咲いていた花が露出したため盗掘に遭って数が激減し、現在では北鉄府地区の保護区「レブンアツモリソウ群生地」以外はきわめて数が少ない
道路わきには、アカツメクサ(ムラサキツメクサ)、
マンネングサ系、さらに写真を撮らずに失敗した、レブンイワレンゲも多数あった
浜中まで歩き、白浜海岸で、無数の貝殻の上を歩く
メノウ(瑪瑙)も拾えたらしいがそうとは知らず、エゾタマキガイという貝がらが多く、中にはツメタガイいう巻貝に捕食され、きれいな丸い穴をあけられた貝殻があるという
メノウが拾えると知っていたら、1時間は過ごしてしまっただろう
知らぬが仏
で、礼文土産に採ってきた


リンドウザキカンパニュラだろう
民家の庭先なので、自生ではないと思われる

「最北の湖」久種湖(くしゅこ)に到着
半時計周りに散策
掌状に5裂する大きな葉、葉柄の付け根にある托葉は茎を耳状に抱く植物、オニシモツケ
不明1
マルバカワヂシャ?
花の径が1cmにも満たないので、うまく撮るのが難しい
そうか、クワガタソウ属の花だが、礼文に住むのは?
エゾヒメクワガタ(蝦夷姫鍬形、Veronica stelleri var. longistyla、クワガタソウ属の多年草、高山植物)だ
チシマゲンゲまたはエゾエンゴサク

オニシモツケ


エゾヒメクワガタ


不明2
チシマアザミ

オニシモツケ



久種湖の南側は、水芭蕉の大群生地





いい加減疲れてきたが、もう一つ丘を越えて高山植物園を目指す
とても懐かしい感じの、キバナコウリンタンポポ
ニセアカシアの花が満開
チシママンテマ



ハクサンチドリがまんまの姿
有料の高山植物園だが、庭園をちょっと覗くと、花はクマガイソウで葉が水芭蕉かベンケイソウのような、ホテイアツモリソウ(布袋敦盛草)が培養されていました

東海岸へ向けて、最後の坂を下る

利尻富士が迎えてくれた
フェリーターミナルへの最終バスが来るまで、とにかく南下

ウスベニアオイも、自生ではなさそう


もうここで、バスを待つ




20km弱も歩いちゃったよ





宿に着いて、風呂浴びて、
夕陽に染まる利尻富士見て、
あれ、夕食は?
Day-3へ続く

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